2011年5月14日土曜日

企画の全体像とこのブログについて

関西学院大学大学院社会学研究科では、大学院GPプログラムの終了に伴い、
院生・研究員による自主企画を社会学研究科と先端社会研究所のバックアップの下で
進めていくことになりました。

・具体的には、査読付き書評誌の発刊(『タイトル未定』)及び
共同研究会を中心とした企画を、社会学研究科所属の院生・研究員主体で展開していきます。


・共同研究会(2011年4月現在~)

『エッジの社会学ソーシャル・ワイズの探究』研究会
  「エッジの社会学」研究会では“ギリギリ”を生きる人びとの現場へと迫る中で、人びと他者と生きていこうとする際に生み出される「社会的智慧(Social Wise)」を探りだすことを目的としている。具体的には、(1):震災のような災害現場やその復興の在り方、(2):自営業・廃品回収業・建築業(家)といった職業や職業界の在り方、更には、(3):「就労」から距離をとらざるを得ない状況の周辺者(「ひきこもり」や「生活保護者」など)の存在に着目しながら、エッジを生きる人びとの内実と同時に、そうした人びとへの社会学的アプローチのあり方について、研究会の開催を通じて模索していく。


『メディア・文化のインターセクション』研究会
 当研究会は、現在の文化研究やメディア研究が直面せざるをえない様々な研究課題を明らかにし、社会学的なアプローチを通した新たな解決方策や分析視座を模索することを目的とする。いまや、文学研究、メディア研究、文化研究の領域は個々独立したものではなく、相互に連関した学際的な色彩を帯びることが自明となっている。加えて、研究対象となる文化・メディアの範囲も拡がり、これまで見過ごされてきた様々な領域が再度検討されるようになっている。しかし、そのような研究領域の拡がりゆえに、各研究領域における既存の学問的枠組みの限界や更新の必要性が指摘されるようになっている。本研究会では、こうした文化やメディアを研究する上で現在では避けては通れなくなっている様々な課題に対して、個々の研究領域が交差する場、即ち、つなぎ目(intersection)を社会学的なアプローチを通して「きしませる」ことで、現在の文化・メディア研究が直面している課題とは何か、また、これからの文化・メディア研究の向かうべき方向を検討していく。


Fogbound Society 研究班
 当研究班は現代社会の「生きづらさ」の内実を“Fogbound”というキーワードを手掛かりに明らかにすることを目的とする。“Fogbound=霧が立ちこめた”という形容詞は、われわれが生きる現代社会が、もはや暗闇の中で光を探すというよりも、むしろ視界が確保できないなかで身動きが取れない状態にあることを、端的に表現している。「生きづらさ」という言葉で語られる問題の多くは、たとえば雇用や就労をめぐるもののように「社会問題」として語られやすい。しかし、Fogbound Society研究班では、人々が普通の生活のなかで抱える語りにくい不安、あるいは「問題にならない問題」について考え、悩むプロセスを重んじる。そこから、何気ない日常を覆う漠とした「もや」の中に散在する生のありようを描きだす記述やそのための方法について考えていきたい。


・本ポータルブログは、上記研究会の新着情報をはじめ、書評誌編集状況、研究会開催報告や、院生目線で綴る文字通りの「時評」など、社会学研究科院生・研究員によるプロジェクトの今を伝えるブログとしていく予定です。





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