2014年8月26日火曜日

共同研究「フォークロア研究の国際比較」班 第2回研究会 開催のお知らせ


 共同研究「フォークロア研究の国際比較」班 第2回研究会を次の通り開催いたしますのでご案内いたします。
 
 昨年に引き続き、今年度も共同研究「フォークロア研究の国際比較」班では、フォークロア研究の比較分析を目的とする研究会を関西学院大学大学院社会学研究科と関西学院大学先端社会研究所の共催で開催することとなりました。今研究会では、近年、アメリカおよびヨーロッパのフォークロア研究、宗教研究において用いられるようになっている「ヴァナキュラー」概念から比較分析を行なっていきたいと考えております。
 多数の皆様のご参加をお待ちしております。(一般公開・入場無料)

【日時】
2014年9月7日(日)13:00~17:1012:30より受付開始)

【会場】関西学院大学 梅田キャンパス アプローズタワー10階1001号室
http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

【講師】小田島建己 氏(東北大学大学院文学研究科 専門研究員)

【テーマ】「ヴァナキュラー宗教」をめぐって 
 
 これまでに行ってきたアメリカのフォークロア研究との比較分析により、近年アメリカのフォークロア研究において、宗教民俗学者であるレナード・ノーマン・プリミアノ氏が提唱した、これまでの運用とは異なる「ヴァナキュラー」概念が注目を集めていることが明らかとなりました。
 プリミアノ氏の提唱する「ヴァナキュラー」概念は、元来の意味である「国や地域に生来の」、「土着の」、「個人的な、私的な」という意味から発展し、「組織された集団によって担われない」、「特定の文化状況下でのコミュニケーションや嗜好や行為の仕方であり、その文化に適合したもの」として解釈されており、「人びとが対象とどのように出会い、理解し、解釈し、実践したか」に着目しており、公式/非公式という二項対立的分析に陥ることなく対象を観察するアプローチとして関心が寄せられています。
 そこで、今研究会では、この「ヴァナキュラー」概念を課題として設定し、さらなる理解を深めるべく、プリミアノ氏のもとで学び、日本の民俗事例を用いて研究を行なっている小田島建己氏を招聘し、プリミアノ氏の研究、アメリカ民俗学における「ヴァナキュラー」概念の運用、日本民俗学研究への応用、アメリカにおけるフォークロア教育の実態等についてお話いただく予定です。


【講師紹介】小田島建己(おだじま たけみ)氏

 宗教学、文化人類学、民俗学者。
 Cabrini College Religious Studies卒業後、東北大学大学院文学研究科 人間科学専攻 宗教学専攻分野 博士課程後期修了。現在は東北大学大学院文学研究科 専門研究員。
 専門分野は、墓制・死者の表象・死者観・民間信仰など。
 主な論文に「死者供養における個性の表出 ―若松寺への「ムカサリ絵馬」奉納にみる―」〔東北民俗 (41) 9-18 (2007)〕、「〈死者の結婚〉とその形象 ―「冥婚」・「死霊結婚」概念と習俗実態との差異―」〔比較民俗研究 (23) 3-34 (2009)〕、「〈死者の結婚〉を表わす ―「川倉際の河原地蔵尊」の花嫁・花婿人形―」〔青森県の民俗 (9) 17-37 (2009)〕、「被災した岩沼の墓地 ―津波の爪痕を癒そうとする人々の自助努力―」〔東北宗教学 (7) 39-64 (2011)〕等がある。
 
【お問い合わせ先】
共同研究「フォークロア研究の国際比較」班  広報担当
関西学院大学 大学院 文学研究科  博士課程前期課程  文化歴史学専攻  地理学地域文化学領域  M2 岡田裕美


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